花と竜
女の人がいました。
花をまき散らして踊り、どこまでも延びる歌声で歌いました。
ある日台風がやってきて、全てを荒らしていきました。
緋の目の竜がやってきて言いました。
『私が何とかしてあげようか』
彼女はひもじくて、辛くて、骨が凍りそうに寒かったのですが、
「いいえ」
と言いました。
そうして、女の人は今も歌を歌っています
戻る