―時に生を。時に恵みを。時に天命を…すべてを捧げよう―
運命の女神、すべてにおける人間の決定者。 人間の誕生を引き出すつむぎ手のクロト。 その者の生命や将来をを計る配り手のラケシス。 最後の生命を切る切り手のアトロポス。 それが彼女たちの名であり仕事である。 我々のすべては神にある。神が私たちに生命や穀物や戦を与える。 それと同じように運命も与えられる。 私たちはいつ生まれ、どう余生を送り、天命を下されるか知らない。 だから神だけが知る。 しかし、いくら運命の女神といえども決定できないものがある。 私たちは人間なのだ。人間にだって決定権はある。 誰と結婚しようがどこへ行こうが、それは自分の意思で決める。 神に依存する必要は無い。 そう、女神との関係は深い。ヒトの糸があるように、女神とヒトの間にも 紬糸があり紡ぎ紡ぎあうのだ。そうして私たちは造られていく。 生を受けた時点で運命を決められたように。 |