いつも同じ景色を眺めていた。
同じ木の下、同じ星の下で。

いつか見せてくれた未来。その景色はわたしのものにはならなかった。

時は流れ、人びとは進み続ける。いつかは星に手が届くのだろう。
だけど知らなくてはならないことがある。
大切な人の手の温かさ。道端に倒れた人の痛み。届かなかった手の迷い、行き先。

小さいころ、先生はわたしたちに言った。
人が歴史を作り、歩んできたように、子供だったわたしたちも、自分の人生を歩んでいく。
どこに辿り着くかは分からないけれど、先を見続けなくてはならないのだと。

あなたが残していった町を流れる川。その流れの先で、あなたが水を汲み、喉を潤す。